ここでは、熊本のトラウマの話をしよう。
※良い話を期待している読者には申し訳ないが他を当たってくれ。
熊本には、観光しにきていたわけだが、宿泊施設から歩いて10分の所に熊本城があった。
しかし、これが行こうと思ってもなかなか昼間には行けなかったのだ。
ようやく落ち着いた時間というのが、夜だったわけだ。
熊本城を間近で見たくて

時計を見たときには夜の7時30分を指していた。
ふと、今なら熊本城に行けるのかと、携帯を出して閉園時間を検索した。
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閉園時間はあった。

あったのだが、熊本城の周回コースは夜でも歩いて問題ないようなのだ。
しかも、周回コースでも天守閣を間近で見ることができるらしかった。

それを知って北海道に黙って帰るわけがない。
急いで身支度をして宿泊施設を後にした。
夜は城がライトアップされて綺麗だと想像して

宿泊施設を出た後は、2日間歩いた同じ道を通り熊本城に向かった。
道中の頭の中では、ライトアップされた熊本城を間近でみた時の事を想像していた。
熊本城は建っている所が高くそびえ立つように見える。
さぞかし、迫力があるのだろう。そんな事を思いながら熊本市役所の横を過ぎた。

かつては『不落の堅城』と呼ばれた、その熊本城は2016年熊本地震によって甚大な被害を受けた。
それから3年、周回コースで一目見ようと熊本城に向かっている。
市役所を過ぎてからは塀を眺めながら外堀に沿って歩いた。
橋を渡り、ちょっとした城下町、いや観光施設を通り過ぎた。
そこにはゴキブリがたくさんいた

観光施設を通り過ぎて階段を上る。
少しづつ天守閣に近づいている事を考えると次第に気持ちが高まる。
まるで、小学生の頃の遠足の前日のような。
しばらく歩くと左に大きな広場があり、右をみるとライトアップされた天守閣が見える。
今まではアスファルトだった地面が学校のグランドのような砂へと変わり。景色も変わる、あたりが暗くなり街灯が少ない。
一人孤独を感じながらもその時間を楽しむ。
広場から遠ざかると、次第にあたりも明るくなる。
同時に地震の被害の生々しさを残すかの様に土嚢が身長よりも高く積まれていた。
そして、ふと地面をみると
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見たのだ、地面に数十匹のゴキブリたちがカサカサと音をならせて走り回るのを